肝臓公司ロゴ

毎度屋/まいどや(武蔵小山)のラーメンを久々に食べ、その変化に店の底力を感じました。昼からクダを巻ける店があるってのはありがたいものですねぇ。

maidoyaの画像

※2017年8月10日追記:2017年夏、毎度屋は閉店しました。45年間、お疲れさまでした。追記以上

都道420号(補助26号線)と平和通りが交差しているのが目黒本町5丁目交差点。そのすぐ近くに毎度屋(まいどや)というラーメン屋があります。

maidoyaの画像

店頭の黄色いテントが目立ちます。ただ、「ラーメン専門店」「毎度屋」という文字のバランスが妙です。もう少し店名を大きく、そして中央に配せばいいのにとも思うのですが、店主の控えめな人柄が出ているのかもしれません(実際は看板屋の都合、フォーマット上の問題でしょうけどねw)。今回が二度目の訪問ですし、界隈で店主とたまにすれ違うので、どんな方かはほんの少し知ってます。

maidoyaの画像

三角形の土地を利用した掘っ建て小屋のような店構え。外見上は隣の建物と一体化しています。この通り沿いはこういう造りの店が多いですよね。もう少し武蔵小山寄りのオリジン弁当とガソリンスタンドの間とか、旧おっぱいラーメンのあたりとか。都道420号が拡張されていった名残なんだろうな。

取り残された土地、削り取られていった土地にたくましく生き残る店って、なんだか好きなんだよなぁ。中途半端に用地取得される側にとってみればたまったもんじゃないのかもしれませんが。

maidoyaの画像

店内はカウンターのみ。席に人が座るとその背後を人が通れないほど狭いです。ですから、店の隣にあるトイレに行くには背後のガラス戸を開けて出なくてはいけません。

その日は13時過ぎごろにうかがいました。店に入るとカウンターの一番右端に常連のお父さんが一人いらっしゃいました。ビールか何かを飲んでクダを巻いています。

「まったくよぉ、おかしいだろ?」

店主は適当に相槌。意気揚々のお父さんは話が止まりません。間隙を縫ってラーメン(500円)を注文しました。ラーメンが出て来るまで、お父さんの話をBGMに店内を観察します。

maidoyaの画像 maidoyaの画像 maidoyaの画像

壁には異なる時間を示す丸い時計が3つ並んでいます。工具や自転車の鍵・ライトなどが壁にかかっています。「夜る」と不思議な送り仮名。見ていて飽きない店内ですが、あっという間にラーメンができあがりました。

maidoyaのメイン画像

お。チャーシューではなく炒めた豚肉になったのか。ちなみに初めて食べた時(2013年8月)の写真はこちらです。

maidoyaの画像

スープは丸くて甘い醤油味。胡椒がきいています。うん、おいしい。だってね。

maidoyaの画像

ぶはははは。いや、これがあるからって、これを使ってるとは限らない。でもまあ、ねw 前回食べた時はもう少しサッパリ目だったような記憶があります。もしかしたら、その時その時で"中身"は変わっているのかもしれません。いずれにせよ、そりゃまずいわけがない。

それにね、単にポンと作ってるだけじゃないんですよ。スープを飲み干したあとの丼を見ればわかります。独自に手を加えてる。こだわりがちゃーんとあるんです。

原価(手間)のかかるチャーシューは定食にも応用がきく豚肉に変わりました。以前はもう少しメニューが豊富だったはずなんですが、現在はラーメンのバリエーションと数種の定食しかありません。もしかしたら、ずっと昔はスープも作っていたかもしれない。けど、今はどこまで手をかけているか……。

きっと常連さんも減ってきて、客も以前ほどは来なくなったんだけど、なんとかがんばって店を続けてらっしゃるんだろうな。店内で目に映るひとつひとつのものが、そう感じさせます。ですから、もし仮にこのラーメンができあいだったとしても私は決して……

「オレが洗濯してるんだぜ。笑っちゃうよ。まあ、洗濯するのはいいとしてもさ、○○ちゃん(娘さん?)が『パパ、畳んどいて』だって。女がいる横でスキャンティー畳むのは勘弁してほしいよなぁ」

感慨にふける私を一瞬にして現実の世界に引き戻す、隣のお父さんの"スキャンティー"発言。もうね、笑いそうになるのをこらえるの大変なんですがw お父さんの口からスキャンティーという単語が出てくるのも面白いし、娘さんったって、たぶん40代、50代でしょう。そんな女性が履く下着をスキャンティーと表現するのも……ねぇw いや、年代からするとスキャンティーで正解なのか!? シミーズ的な。

あっちこっちへ飛ぶ二人の会話は続きます。

「隣は行くの?」

「ぜんぜん」

「生ものあるのかな」

「ぜんぜん行かないからわからない。そこまで手がまわんないよ」

隣は紅葉屋(もみじや)という居酒屋です。一軒家の一階部分が紅葉屋なんですが、物件のオーナーさん? 紅葉屋をやってる方の肉親? そう思わせるやり取りでした。けど、隣でやってらっしゃるご主人の話になって混乱します。

「あいつを○○(近所のラーメン屋)でこの間見かけたよ。お父さんは?」

「元気らしいよ」

うーん、話の流れから、「毎度屋」のご主人の息子さんか誰かが隣の紅葉屋をやっているのかと思ったのですが、どうもそれは違うようです。紅葉屋にはまだ行ったことがなくて、ずっと行こう行こうと思っているのですが、ふむ、こりゃ近々に行かなきゃな(※追記:後日、行きました。素晴らしい居酒屋でした。詳細は上記リンク先でどうぞ)。

お父さんの演説がずっと続いています。お邪魔してはいけませんし、会計時にササッと話をうかがいました。

「こちらはどれくらいになるんですか?」

「42年くらい? こっちに移る前も含めると」

「こっち? ということは以前は他でやってらっしゃったんですか?」

「3丁目で定食屋をやっててね。こっちに移って40……」

3丁目は目黒本町3丁目のことでしょう。40年、42年といった数字は正確ではないかもしれません(聞き間違いという意味ではなく)。

「そんなになるんですねぇ。ありがとうございます。ごちそうさまでした」

「ありがとうございます」

いい感じに酔っ払っているお父さんもこちらに会釈。私も会釈。

武蔵小山もいろいろ変わってます。けど、こういうお店があるんですから、まだまだね。いい街だなぁほんと。

SHOP DATA

  • 毎度屋(まいどや)
  • 東京都目黒区目黒本町4-1-19
  • 03-3714-5625
    • 公式
    • Facebook
    • twitter
    • instagram