「居酒屋 ほっこり」(西小山・武蔵小山)は安定感バツグンの料理がおいしい、雰囲気のいい居酒屋でした~ほっこりはほっこりを越えて行く

新しくできたと噂で聞いていました。そこへ「めっちゃよかったよ」とあっこちゃんからの後押し。メッセージが来たその日の夜、さっそく行ってみました。

西小山駅から徒歩10分強。武蔵小山駅から15分で、学芸大学駅からだと20分。平和通りの西端、円融寺通りとの交差点近くに「居酒屋 ほっこり」という居酒屋があります。2017年1月にオープンしました。このサイトでは“例の五叉路”と呼んでいる地域です。

もともとは「Voice(ボイス)」というダイニングバーでした。とてもキレイな店内です。大きなカウンターは10席ほど。奥には4人掛けテーブルが2つあります。大人が来れる落ちついた雰囲気。

店主は私と同世代くらいに見える男性で、アルバイトの女の子が一人。「GLAMOROUS SKY」を歌っている中島美嘉みたいなクール美人です。パッと見は日本人にしか見えないのですが、どうも日本人ではないみたい。見た目はロックなお嬢ちゃんなんですが、とてもおとなしい子ですw シャイなのかな。


一杯目のグレープフルーツサワーとお通し。あーあ、グビグビ行けるなこのうまさ。お通しのちくわネギ和えもシンプルなのにおいしい。

豚もつと野菜のどて煮。要はもつ煮込み。濃厚でトロトロで酒が進みます。

自家製ナンコツ入りつくねはしっとり。シソがきいたパンチのある味付けで、黄身を絡めるとちょうどいい感じのまろやかさに。

地鶏の唐揚げはボリューミー。衣はザクッ、肉はジューシー。

どれもこれもうまい。とてもうまい。おそらく他のどの料理を頼んでも外さないだろうな。そう思わせる安定感が各料理にあります。

それにしても、ぜんぶ肉。ひどいな我ながらw



メニュー構成もうまい。ビール、サワー、焼酎、ワイン、洋酒系とあらゆるお酒があって、満遍なく、ひと通り居酒屋メニューがそろっています。過不足のないラインアップで、きっと自身のキャパシティ(回せるかどうか)をしっかりと見定めた上で決められた構成なのでしょう。写真を撮りませんでしたが、〆系も充実しています。

値段もいいところを突いています。そして物によっては値段の割にボリュームがあってコスパもよさげ。

オープンして約3週間。ですが、奥の団体さんはもうすでに常連となっているようです。あのお年のみなさんに気に入られているってことは、間違いないってことでしょう。こんなお店が近所にあったら通いたくなるのもよくわかります。

調理の合間を縫って、店主の男性といろいろ話をしました。まとめるとこんな感じです。

店主は約4年間、恵比寿の居酒屋「ろふてい」で腕を振るっていました。老朽化で建物が取り壊されるのにともない、他所で物件を探すことになります。ただ、希望していた目黒や五反田といった大きな街の駅近は家賃が高く、また、応募がバッティングするとどうしても大手(法人)には勝てない。じゃあ、自分の地元でもあるこの界隈で、地元の方に愛されるような店をやろう。そう考えていたら、ちょうどこの物件が空いた、と。

「ろふてい……聞いたことあるなぁ。恵比寿に10年以上住んでて、飲み歩いていたので、だいたい恵比寿の飲み屋は把握してるつもりなんですが。どこらへんでしたっけ?」

「ホテルが3軒並んでるところわかりますか。その正面です」

「ラブホテル街ですよね。外観を見れば思い出すんだよなぁ。(google画像検索をしながら)あー、わかった。あそこか。10年近く前、1、2度行ったことありますよ。あのあたりだと、美㐂家(みきや)によく行ってました」

「美㐂家のママさんはウチにもよく飲みに来てくれてたし、一緒に飲みに行ったりもするような仲でしたよ」

「へぇ。ほんとうですか。素敵なママさんですよねぇ」

「もう店は閉められましたが」

「ああ、そうなんですか」

「いやぁ、ここで美㐂家の話ができるなんて(笑)」

※2017年4月17日追記:先日、恵比寿に行ったらまだ「美㐂家」はありました。私か店主が勘違いしていたかもしれません。追記以上

とっても感じのいい店主。顔は俳優の宇梶剛士ぽいw

「失礼ですが、顔が濃くてらっしゃるから、もしかしたら沖縄出身かと思ったんです。でも、さっきの話だと、この界隈出身なんですね」

「よく言われます(笑) 前の店の店名『ろふてい』がラフテーっぽいじゃないですか。そして私がこんな顔で、しかも、当時のアルバイトの子が沖縄出身だったんですね」

「ややこしい(笑)」

「だから『沖縄料理の店じゃないのかよ』とか『ラフテーないの?』とかしょっちゅう言われてて、だったらもうラフテーを用意しとこうと(笑)」

この「ほっこり」にラフテーはありませんが、豚角煮はあります。

「ラフテーと一般的な角煮ってどう違うんですかね」

「泡盛を使うところくらいで、あとは基本的には同じだと思います」

「そうなんですか」

なんて話をしていたら、これまたよくいらっしゃっている風のご夫婦がやって来ます。先に来ていた団体さんとも顔見知りのよう。さらに一見さんらしき若い男性も。

この男性客がサラダのボリュームを聞いていました。店主はサラダ用の皿を手に取り、「これくらいです」。ははは、結構な量だな。ちょっとひるんだ男性客に「ハーフサイズにしましょうか?」と店主は提案しました。ふむ、こういうところもいいなぁ。そして、そのハーフサイズのサラダを見ました。うへっ、これで十分じゃんw

混み合ってきたので、そろそろおいとましましょうか。

「お会計は2581円で、81円は切らせて頂いて、2500円です」

おーい。それはやりすぎだろうw 大丈夫かいなw 会計を済ますと、表までお見送り頂きました。

「こちら、七味なんですが、料理はされますか? 開店記念に差し上げてるんです。もしよければ」

「ありがとうございます」

「ありがとうございました」

店をあとにして学芸大学方面へ。その道すがら、ちょっと考えていたことがあります。

「ほっこり」という店名はどうなんだと。ほっこりという言葉は、飲食関連の言葉としてはかなり大きめのワードです。【ほっこり 居酒屋 西小山】でgoogle検索しても、”ほっこりできる居酒屋”みたいなのが大量に引っかかります。

“ほっこりできる居酒屋”に埋もれて、ここ「ほっこり」は検索されづらい。店名のつけ方としては、ちょいとマズいんじゃないかと。

ただ、こうして記事を書く段階になって、私は考え違いをしているんじゃないかとも思うようになりました。

居酒屋「ほっこり」はgoogle検索で上位に来る必要があるかい?

恵比寿という超巨大飲食街を出て、人通りが多いとは決して言えない、住宅街のど真ん中に店を構えました。やって来るのは近隣の方々がほとんど。この店にとって必要なのはgoogleではなく、ご近所さんたちにかわいがってもらうこと。

「あそこどうだい」

「うん、いいよ。もう何度も行ってる」

「そうなんだ。じゃあ俺も今度行ってみるか」

こうして店の評判が広がり、徐々に客が増えていく。そのうち常連も多くなり、地域に根ざして10年、20年と続いていく。そういうお店です。そして、そうなることを願って、店主はこの地に店を出しました。

だったらいいじゃないか。「居酒屋 ほっこり」で。

それに。

この実力があれば、人気も出てくるはず。そうすりゃ店名の「ほっこり」は一般的な単語”ほっこり”を抜くかもしれない。いやむしろ、「居酒屋 ほっこり」はそうなるだけの実力を兼ね備えています。

さぁて。楽しみだな。【居酒屋 ほっこり 西小山】の検索でここ「居酒屋 ほっこり」がすぐ見つかるようになる日が。「ほっこり」よ、”ほっこり”を越えて行け!

居酒屋 ほっこり
東京都目黒区目黒本町6-24-12
03-5734-1336

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後藤ひろし(ひろぽん)

雑誌・書籍編集兼ライター、ウェブディレクター。主に学芸大学駅(学大)界隈で飲んでます。学芸大学で巡った飲食店の数は約350軒。

https://twitter.com/gokky_510

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