MEAT JOURNEY 2018

「旬八青果店 下目黒六丁目店」の野菜はビックリするほど甘くておいしくて、けど安い。農業と都市生活をつなぐ、地域に密着する新たなビジネスモデルも要注目


学芸大学駅から徒歩15分。目黒通り沿い、「ステーキハウス リベラ 目黒店」の並びに「旬八青果店 下目黒六丁目店」という八百屋があります。ラーメン「ちょろり」の隣です。

2015年1月20日にオープンしました。運営しているのは(株)アグリゲートなのですが、そのあたりのことはまた後ほど。

店の存在は知っていたのですが、買いに来たのは初めてです。冷蔵庫に野菜が余っていて、いくつか買い足してサラダにしようかと。


店内にはいろいろな野菜があるのですが、初めて見るようなものもチラホラ。そして、物によっては相当安いです。

「何かお探しですか?」

店主と思しき関西弁の男性が声をかけてきました。

「ええ。何かないかなと。何気に安いですね」

「そうですね。物によってはスーパーよりぜんぜん安いと思います。規格外のものとかを安くご提供してるんです。見た目は悪いかもしれませんが、味はまったく問題ありません。おいしいですよ」

「こういう類の店って、高めというイメージもねー」

「そうなんです。ですから、こうして立ち寄って頂けたら、わかってもらえると思うんですけど……」

迷った挙句、えんどうぽいのとブロッコリーをチョイスしてカウンターへ。すると。

「これは中の豆だけを食べるタイプなんですけど、大丈夫ですか?」

あ。

「スナップえんどうみたいに外も食べられるのかと。そうか。じゃあ他にしよ。いえ、サラダにしようとしてて、ポリポリって感じの食感がほしいんですよ」

「ポリポリですか。だったらなんだろうなぁ」

「その赤い大根はどうです?」

「生だと辛みが強いんです。だったら外の三太郎大根がいいかもしれませんね」

「大根か」

「あとはいんげんですね。いんげんだったら間違いないです」

「なるほど、いんげんね。いいかも。じゃ、お願いします」


最初、カウンターへ持って行った際、用途はまだ伝えていませんでした。けど店主は、莢(さや)は食べず中だけ食べるものだと私に教えてくれました。ブロッコリーと一緒に買ったので、サラダにすると予想したのかもしれません。にしても、そこまで考えているということです。そして、私が勘違いしているかもしれないと読み、見事それが当たっていました。嬉しいしすごい。スーパーではなかなかない、対面式商店のよさがこうしたコミュニケーションですね。


買ってきたブロッコリーといんげん。ブロッコリーは少し小ぶりですが100円です。いんげんは超立派なのが7本ほど入って150円。安い。

ブロッコリーは少し紫がかっています。なんだろうと思って調べたら、ポリフェノールの一種のアントシアニンだそうです。寒さから身を守るためにこうなるのだとか。そして、こうなると甘みも増すとのこと。形が整った”キレイ”な野菜をなんとなく買っていてはわからなかったかもしれません。勉強になるなぁ。

さて、晩御飯。前日に作ってまだたっぷり残っていたレッドカレーとサラダです。


ほうれん草、マッシュルーム、オクラは家にありました。ブロッコリーといんげんは茹でています。シンプルにオリーブオイル、塩、コショウで頂きます。

いんげんのパリッとした食感はまさに求めていた通り。いいアクセント。そして驚いたのが熊本産のブロッコリーです。めっちゃ甘い。超甘い。食べ物を食べ物でたとえるのはどうかと思うのですが、大げさに言うとさつまいものような甘み。なにこれ。こんなに甘いブロッコリー食べたことない。いやぁ、うまいなぁ。ほんとうまい。連れと二人でワシワシ食っちゃいました。

翌日、少し残ったいんげんをそぼろご飯に

店にはアレッタ、プチヴェールといった、最近開発されたような珍しい野菜もありました。勧めてくれた三太郎大根も気になります。いつでもあるとは限りませんが、その時その時に、何かいいものがあるはず。また行って買ってみよ。

追記:後日、また買いに行きました。買ったのはサラノバレタス。サラノバ(Salanova)は「Salad Innovation(サラダの革新)」という意味だそうです。オランダの種苗会社ライク・ズワーン社が品種開発をして生まれたレタスの一種です。グリーンオーク、レッドオーク、グリーンクリスピー、レッドクリスピーといった種類があり、これはたぶんグリーンオークなのかな? パリパリ、シャクシャクしててとてもおいしかったです。追記以上

旬八青果店 下目黒六丁目店
東京都目黒区下目黒6-16-13 ライオンズマンション下目黒
03-6712-2727
公式サイト

アグリゲートと旬八青果店が目指しているもの

2010年に創業した(株)アグリゲート。2013年、中目黒に「旬八青果店」一号店を出店し、現在、都内に10店舗ほどあります(中目黒店は閉店)。同社は他に生産流通事業、地域活性事業、販売事業(デリカ・飲食)なども展開しています。

アグリゲートの存在意義

アグリゲート創業のきっかけは、創業者自身の都市での食生活と日本縦断の旅で知った地方の農家さんの生活でした。

私たちは俯瞰して考えました。

「おいしい」をお客さまのもとへ届けられるサービスをつくることで、都市の食生活を豊かにすることを。

そのためには「おいしい」野菜を届けることができる農家さんをもっともっと増やすことが不可欠であるということを。

旬八青果店のミッション

そこで私たちは、食を通じた”よろこび”を都市に届けたいと考え、地域に愛される旬八青果店を始めました。

お値打ち価格で毎日購入でき、新鮮で食べごろな野菜が食卓を彩っている。旬八青果店が薦めた“カタチが不揃いな野菜”や“見たことも聞いたこともない野菜”に出会い、食事のときの会話が盛り上がっている。自分では作れないけど「おいしい」野菜を食べたい人たちが、旬八青果店がつくった野菜たっぷりのごはんを食べている。

そのような食生活を、私たちは旬八青果店を通じて実現し、豊かな食生活を送るためのインフラになります。

出典:(株)アグリゲート公式サイト「事業ミッション」より抜粋

面白いのが「旬八青果店」の出店場所です。たとえば、ここ「旬八青果店 下目黒六丁目店」。学芸大学駅から徒歩15分です。一番近いスーパー「清水台東急ストア」も徒歩10分弱ほどかかる距離。目黒警察署前店も陸の孤島のような場所にあります。赤坂店もメイン通り(赤坂通り)の裏。

商店が密集していたり、駅近だったりしたほうが、客の入りはいいかもしれません。けど、上記の事業ミッションを読むと、単に野菜を売って儲けたいと考えているわけじゃないということがわかります。

同社が見ているのは生産現場と都市の生活。生活につながろうとしています。ですから、スーパーがあるような地域や便利な駅近よりも、大きなスーパーが近隣にないような地域、駅から離れた地域に出店します。すると、その地域の生活により深く密着できる。そう考えているのかもしれません。まあ、家賃っていう現実的な問題もあるのでしょうけど。

とても面白い試みなので、長く続くといいですね。あー。そうか。武蔵小山、都立大学、中目黒などにもある「サカナバッカ」に何か似たようなものを感じるなぁ。アグリゲートはインフラって言葉を使ってて、サカナバッカはプラットフォームと言ってる。なるほどねぇ。

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