「風は南から 学芸大学店」の醤油らーめんは醤油が濃くてガッツリ。スープ、麺、具、すべてをどんどん重ねていくその様はラーメンのCMYK~学芸大学に吹き込む風は街に活気を与えています

学芸大学駅から徒歩2分。東口商店街沿い「亀屋万年堂」「かしわや」の間の筋を入った先の十字街に「風は南から 学芸大学店」というラーメン屋があります。2017年5月1日にオープンしました。詳細は後述しますが、本店は武蔵小山でこちらは2号店です。オープン日に行ったので、店頭には祝い花がいっぱい。

店内はカウンター約10席。カウンターが緩やかに弧を描いています。食券機のスペースが確保できるし、これは面白い工夫です。

「風は南から」は塩もありますが、メインは醤油。初めてなのでデフォルトの醤油らーめん(700円)にしようかと思ったのですが、勢い余って背油醤油らーめん(850円)にしてみました。

いろいろ見渡せるベスポジにつけました。普通の醤油らーめん(および塩も?)と背油醤油らーめんで麺が違うようです。太さだけ違うのか、味も違うのかは不明。

チャーシューは2種、ロース系とバラ系があるようです。

スープには野菜がふんだんに使われているということもわかります。2分にセットされたタイマーがピピッとなって、丼に麺や具が盛られていく様もよく見えます。いい席だw

オープン記念の大盛りです。具はもやし、生玉ねぎのみじん切り、チャーシュー2種(3枚)、なると、メンマ、のり。

まずスープ。見た目通り、醤油がとても濃いです。ただ、「しょっぺえなぁ!」とまでは言わせない、その手前ギリギリの塩味(えんみ)。ほんのかすかに香ばしさのようなものも感じさせます。

甘みもわずかにあるのですが、これは背油由来? おそらく豚も鶏も使われているのでしょうけど、もうひとつ何か特徴的なうまみを感じました。なんだろう。いずれにせよ、単に醤油が勝ってる濃いラーメンではありません。何気に深みがあっておいしいです。


麺は三河屋製麺(東久留米市)。超太くてブリッブリ。麺もスープを吸っているかのように味がしっかりしていて、さらに濃いスープが麺にしっかりとまとわりつくもんだから、それはそれは濃い。

とにかく濃いのですが、もやしと玉ねぎがそれに乗っかると、また新たな味わいになり、見た目ほどくどくは感じさせません。よくできてるなぁ。

どんどん重ねていくんですね。スープも返しも麺も具も。重ねた結果、とてつもなく濃くできあがる。あの色、この色、いろいろな絵具をどんどん混ぜていくと、最終的に黒くなるように。それが「風は南から」。

ああ、なるほど。

同じ醤油でも「びぎ屋」「麺Laboひろ」とはまったく異なります。「びぎ屋」も豚、鶏、魚介とあれこれ混ぜるのですが、最終的に一点に集約されていきます。たとえるならRGB。レッドとグリーンとブルーを最大限に混ぜると白くなる。そんな感じ。逆に「風は南から」はCMYK。シアン、マゼンタ、イエローを混ぜて黒くする。いずれも濃いんだけど、その方向性、思想は真逆です。ふむ、我ながらわかりづらい例えだw

デフォルトを食べてないので、参考程度に読んでもらいたいのですが、(相対的に)甘みがほしければ背油醤油らーめんがいいと思います。脂がある分、甘みが増すと思います。「脂はちょっとなぁ」という方はデフォルトの醤油。ただ、そうするともしかしたら、醤油の濃さがキツく感じるかもしれません。ですから、どちらを取るかですな。たぶん。

ガッツリ、パンチのきいた、醤油が濃い目のラーメンは飲んだ後の〆としてもいいでしょうね。これ系が好きな人にとってはクセになる味だと思います。ぜひ一度お試しあれ。

さて。

荏原中延(えばらなかのぶ)に2009年、「井田商店」というラーメン屋がオープンしました。「井田商店」では「カゼハミナミカラ」という二毛作ブランド(その当時は曜日限定の豚骨ラーメン)をやっていて、これが”独立”するような形で、2015年、武蔵小山に「風は南から」がオープンします(豚骨ではなく井田商店のラーメンを継承するようなラーメンで)。学芸大学にできたのは、この「風は南から」の2号店。つまり、同系列としては3店舗目ということになります。

なぜゆえに「風は南から」なのかはわかりません。わかりませんが、「井田商店」の店主は福岡県出身。いくつかのラーメン店で修業したのち、「井田商店」を荏原中延に創業し、武蔵小山、学芸大学と、まさに南から風が吹くがごとく「風は南から」を店舗展開してきました。

考えてみると、「晩杯屋」「Beef Factory73」も、なんなら「おっぱいラーメン」も、そうだ「麺Laboひろ」も武蔵小山からだ。南という意味では「串焼酒場 フランキー」(西小山から移転)、「わたる商店」(大井町が本店)も。南からやってくる店が多いですね。

ここ半年くらいかな。飲み歩いているだけですが、学芸大学という街の変化をすっごく感じるんです。20代半ばから30代半ばくらいの若者がほんと増えた。そして、そういう層に受け入れられやすそうな元気のある店も増えた。学芸大学にはいい風が吹いてるなぁ、つくづくそう思います。

今回、学芸大学の南から吹きこんできたこの風もまた、街を盛り上げてくれるひと筋の爽やかな風になってくれるといいですね。爽やかではないか。ガッツリ濃厚な風だw

風は南から 学芸大学店
東京都目黒区鷹番2-20-4
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執筆者:後藤 ひろし(ひろぽん)
雑誌・書籍編集兼ライター、ウェブディレクター。主に学芸大学駅(学大)界隈で飲んでます。学芸大学で巡った飲食店の数は約350軒。
https://twitter.com/gokky_510

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