二葉フードセンター/目黒本町市場(平和通り商店街)の全店紹介&カオスな建物をじっくり観察~素敵な商店がいっぱい詰まった、楽しくも摩訶不思議な武蔵小山・西小山の昭和的ストアーを徹底解剖

昭和を背負いつつ今なお元気な二葉フードセンター

武蔵小山駅から徒歩10分弱、西小山駅から10分強。学芸大学駅からだと20分ほど。平和通り商店街に「二葉フードセンター」という”ストアー”があります。地元の方々は「目黒本町市場」とも呼んでいるそうです(単に「市場」とも)。

「二葉フードセンター」はひとつの大きなフロア内にいくつもの商店が入っている商業施設です。こうした”ストアー”は一般的に、精肉店、青果店、乾物屋、惣菜屋などが入っていることが多く、ストアー以外に、スーパー、市場、マーケットなどといった名称がついていることが多いようです。客が各商店と対面して買い物をするというのが大きな特徴です(対面式)。

ただ、昭和にはよく見かけましたが、最近はあまり見かけなくなりました。というのも、大手資本が運営する、いわゆるスーパー(東急ストア、イオンなど)やコンビニ、ミニスーパー(マイバスケットなど)が主流となったからです(セルフ式)。

そして、建物の老朽化(→取り壊し、建て直し)、後継者不足、客足の鈍化なども相まって、ストアーは減って来ているというのが現状です。2016年末に閉業した西小山の「中央百貨店」がその最たる例でしょう。

もはや天然記念物的存在となった昭和のストアー。ですが、目黒本町にはまだ元気な「二葉フードセンター」が残っています。とても楽しいストアーです。大好きです。好きすぎて、今回、二葉フードセンターをまとめてみることにしました。

二葉フードセンターの歴史

二葉フードセンターがいつ頃、どのようにして誕生したのかはよくわかりません。ただ、目黒区郷土研究会編「郷土目黒 第8輯」(昭和39年/1964年)に二葉フードセンターの広告が掲載されていたようです。ですから、少なくとも53年前には二葉フードセンターがあったということです。

また、八百屋「二葉屋」のおっちゃんに軽く尋ねてみたところ、「二葉屋」の歴史は50年は下らないとおっしゃってました。

二葉フードセンター内の店舗一覧

営業時間は店舗によって異なると思いますが、日曜日が休みというのは全店共通です。基本的に日曜日は全入口のシャッターは閉まっています。

Bakery Bran(ベーカリーブラン)

パン屋さん。店内、店頭にパンが所狭しと並んでいます。

鳥岡(とりおか)

唐揚げ、てり焼きなどの惣菜系だけでなく、精肉も販売している鳥専門総菜・精肉店。この「鳥岡(とりおか) 目黒本町店」は2014年にできたのですが、「鳥岡」自体は40年、50年の歴史を誇る老舗です。

関連記事:鳥肉専門の精肉・惣菜店「鳥岡(とりおか)」(武蔵小山・西小山)の鳥の唐揚げとてりやきを買って、てりやきをサンドウィッチにしてみました~二葉フードセンターのカオスっぷりと鳥岡チェーンの謎

伊勢武(いせたけ)

巻き寿司、ちらし寿司、海鮮丼などを販売しているテイクアウト専門の寿司屋。

鮮魚 須永(すなが)

鮮魚、刺身を販売している鮮魚店。

玉川商店

キムチ、コチュジャン、チヂミなどを販売している韓国惣菜店。

天麩羅 天吉(てんきち)

天ぷら、フライ、総菜のほか、これらを詰めた弁当も販売していている天ぷら・惣菜店。

関連記事:二葉フードセンター内「天麩羅 天吉(てんきち)」(武蔵小山・西小山)の弁当はとてつもない量でうまい!溢れんばかりの鳥唐、惣菜、ご飯はカオスでフラクタル

フラワーショップ くまがい

生花店。武蔵小山駅方面、天ぷら「ハトヤ」、焼鳥「まさ吉」のある筋に同名の”本店”があります。

藤海産

新鮮な魚があると評判で、プロも利用しているという鮮魚店。店主・藤原邦仁さんが面白い人で、「これからは魚だ!」と一念発起、サラリーマンを辞め、鮮魚店で働かせてもらったり、築地に寝泊まりして、魚のこと、流通のことを勉強し、2015年9月、ここに店を構えるようになったのだとか。

二葉屋

地元の人のみならず、近隣の飲食店も仕入れに訪れる八百屋。とにかく安い。とにかく多い。ちょっと変わった野菜があるのも楽しいです。

関連記事:二葉フードセンター内の「二葉屋」(武蔵小山・平和通り商店街)は近隣の飲食店関係者も買って行く老舗青果店。激安の野菜がいっぱいで、ちょっと珍しい野菜もあって楽しい八百屋さんです。

二葉フードセンターの構造

入口

入口は3ヶ所あります。

正面口(勝手な呼称。以下同)。平和通り商店街沿いのメインの入口です。

第二エントランス。「ベーカリー ブラン」の脇道を入ったところにあります。

裏口。正面口からずっと進んだ先にあります。八百屋「二葉屋」が全面を占めています。

4軒が連なる二葉フードセンター

正直、正確なことはよくわかりません。関係者に話を聞いたわけでもなし。ですから、ほとんどが私の推測ですので、情報の正確性は保証しません。

周囲や航空写真を併せて観察すると、二葉フードセンターと呼ばれるフロアは4軒の建物が連なって構成されているように見えます。平和通り商店街側の正面口から順に、二葉ビル、ミドルエリア、二葉屋エリア、二葉屋サブエリアです。二葉ビル以外は私の勝手な呼称です。

ただ、外見上は明らかに4軒あるはずなのに、内部から眺めると、その4軒が判別不能です。

A地点(上の航空写真に対応しています。以下同)。正面入り口からまっすぐのぞいた写真です。一番奥のキムチ屋さん「玉川商店」はミドルエリア。なのに床はひと続きになっています。

B地点。第二エントランスから右手を見やると、二葉ビルとミドルエリアが別棟だというのがハッキリわかります。だけど、上のように境目は不明瞭です。

C地点。天井を見上げても同様です。おそらくここが境目なのでしょうけど、境目が判別つきません。単に建物と建物をつなげたというだけではないガッツリとした施工がなされているように見えます。

D地点。ミドルエリアと二葉屋エリアの境目を外から見た写真です。おそらくは2つの建物が結合しているのでしょう。けど、いったいどうなっているのかよくわかりません。


E地点。D地点を内部で見た写真です。右手に隙間がほんの少しあるのですが、建物と建物の間の隙間という感じはしません。ただ、奥にはコンクリート階段があり、自然光と思しき明るさを感じます。どうも屋外っぽい。一部がつながっていて、一部はつながっていないということを想像させます。


F地点。二葉屋エリアと同サブエリア(乾物とか倉庫とかある方)は明らかに別棟です。そして、間に3mほどのジャンクションがあり、外からは両者が結合している様子がうかがえます。ただ、内部からはそんな気配を微塵も感じません。

ちなみに、二葉屋エリアの建物とサブエリアの建物の屋上には、階段状の橋がかかっています。すごい光景w

二葉フードセンターに宿る命

つなげて、くっつけて、違うものだったはずなのに、一体と化したカオスな建造物・二葉フードセンター。近隣で似た感覚を覚えるのは、三軒茶屋の三角地帯、あるいは武蔵小山のアーケード商店街・パルム(特にパルムG)。これらでも建物と建物の奇妙な結合があちこちで見られます。

ただ、私には単に無機質な壁と壁がつなげられた建造物という風には見えない。ここには”生活”がある。そして、お店の人、客として来ている人のそれぞれの顔が見える。人と人が、人と建物が有機的につながり、活力を生み出しています。そんな様子を目の当たりにすると、この建物全体があたかも生命を宿しているかのようにすら感じるのです。

お姉さんやおっちゃんたちと会話をしながら品物を選んで、次会った時には「あれ、おいしかったよ」みたいなことが言えて、時におまけしてくれたり、連れてった子供にアメちゃんをくれたり、そういうのって楽しいし、そういう日常が身近に残っていてくれてるってのは、幸せなことだと私は思うんですよねぇ。

もし、二葉フードセンターへ行けるような距離に住んでいるなら、ぜひ一度、立ち寄ってみて下さい。そして、もし、この街が好きなら、たまにでも結構です、二葉フードセンターへ行ってみて下さい。

この街をこの街たらしめているもの。それが二葉フードセンターなのですから。

二葉フードセンター
東京都目黒区目黒本町5-32-13

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執筆者:後藤 ひろし(ひろぽん)
雑誌・書籍編集兼ライター、ウェブディレクター。主に学芸大学駅(学大)界隈で飲んでます。学芸大学で巡った飲食店の数は約350軒。
https://twitter.com/gokky_510

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