MEAT JOURNEY 2018

「肉のますや」(武蔵小山・西小山)はモツの鮮度がバツグンの精肉店。豚バラ、朝採れレバーで作ったしょうが焼き、レバテキ、ニラレバはえげつないほどうまかった

武蔵小山駅・西小山駅から徒歩5分。学芸大学駅から歩こうとすると30分ほどかかりますが、自転車ならすぐ。都道420号線(補助26号線)から東天地本通りを入って西小山駅方面へ。

東天地本通りを抜けて、さらに進むと「肉のますや」という精肉店があります。西小山駅からだと、サイクルスポット西小山店の筋を真っ直ぐ。


牛、豚、鶏、馬刺し、モツといろいろあるのですが、基本的には豚がメイン。そして豚のモツが豊富に揃っています。


とにかく安いです。鶏もも肉は89円/100g、豚ももは90円、豚バラは99円。輸入もの、冷凍ものもありますが、にしても安い。

お店にいらっしゃるのはメガネをかけたチャーミングなお母さん。

「すみません、豚バラを200gお願いします」

「薄めと3mmがあります。どちらにしましょう」

「薄めで。あと、豚のタンって1本単位でお願いできるんですか?」

「そうなんですけど、いま、仕入れの関係でなくて」

「そうかぁ」

「ウチは芝浦からその日仕入れたものを出してるから、ない時もあるのよ」

「なるほど。じゃあ、とりあえず豚バラだけお願いします。豚タンはまた改めて(※後日、豚タンも買いました。記事の最後に追記しています)」

「233円です」

「こちらはどれくらいになるんですか?」

「ずっと卸をしてたんだけど、小売りをし始めたのは4年前(※2014年2月12日だと思われます)。創業は戦後間もなく。昭和20年代だから60年以上です」

「すご」

「創業当時は肉というよりも内臓。ご存じの通り、その頃は肉がなかったから、庶民はみんな内臓だったのよ」

「ずっとこちらで?」

「そうですね。40年前に会社にして、『ますや(漢字不明)』という居酒屋の大将とお付き合いがあってね、『どうせだったら「ますや」にしちゃえば』って。漢字は難しくてよくわからないから、平仮名で『ますや』と。普通の肉は冷凍ものもあるけど、内臓は基本的にその日に芝浦(※東京都中央卸売市場食肉市場)から仕入れてるの。ご存じの通り、内臓は鮮度が命だから」

「そういえば、この辺りってモツの串焼き屋が多いじゃないですか。もしかして、こちらがあるというのも影響してるんでしょうか」

「いえ、そんなことは。それに串屋さんは少なくなりましたもん。串の打ち手がいないから。ご存じの通り、人件費がかかるもの。大変よねぇ」

とにかく話し好きでよくお話しになるお母さん。口癖は「ご存じの通り」。なんだかめっちゃかわいい。

「いやぁ、それにしても残念だったなぁ。豚タンがなくて。またタイミングを見て買いに来なきゃなぁ」

私とお母さんの長話が気になったのか、奥から若い男性が出てきました。

「お婿さんなの」

「そうですか」

「いらっしゃいませ。ここのレバーは本当においしいですよ。ここのレバーを知って、他では食べられなくなりました」

「へー、そんなにですか。じゃあ、レバーも頂かないと。ありがとうございます。また近い内に来ます」

「ありがとうございました」

猛暑ですから、肉がだめにならないよう急いで帰りました。

こちらが買って来た豚バラ(冷凍)。単に袋詰めされているんじゃないんです。高級なすき焼き用の牛肉を買うと、肉一枚ごとにビニールで仕切られているでしょ? あの要領で包まれてます。

言っちゃなんですが、たかが100g100円の豚バラですよ。もちろん、なぜこうするのか、その必要性はわかります。こうしないと肉同士がくっついちゃいますからね。でも、ここまで丁寧にしてくれてるのがいいじゃないですか。

脂が少なめで赤身が目立つ豚バラです。これも何気にすごいことなんです。たとえば、肉屋さんが肉1kgを仕入れます。そのまま売ればそれだけ儲かる。けど、スジや脂を除去すると、目方がそれだけ減る=儲けが少なくなります。だから、本当はあまり多くトリミングしたくない。

効率重視のスーパーだと、普通の豚バラは脂が多めです。そうして売った方が得だから。一方、「肉のますや」の豚バラは脂をガッツリ多めにトリミングしています。

「儲けのことより、いいものを提供したい」

そんな風に思ってらっしゃるのかもしれません。もちろん、もともと脂が少なめの豚なのかもしれませんが、にしても、これだけ肉がしっかりしていて、なのに安いというのは嬉しいですよね。

さっそく、しょうが焼きを作ってみました。

水にさらし、冷蔵庫に入れておいた、バリッバリに締まったキャベツの千切りがご飯代わり。薄めとはいえ、それなりに厚みがありますし、脂分も少ないので、それほど縮んでません。だから、200gという数字以上のボリュームを感じさせます。

肉はしっかりとした風味で、適度な脂は甘くてジューシー。しょうが醤油のタレにマヨネーズが混ざり、シャキシャキのキャベツが加わります。なんなんだ。なんでこんなにうまいんだ。

ご飯がなくともこれで大満足。いやぁ、あんなに安いのに、こんなおいしく頂けるなんて。「肉のますや」最高!

えげつないレバーを食いまくる!

翌々日。レバーを求めて「肉のますや」へ。14:00過ぎに着きました。

「すみません、レバーありますか?」

「市場から戻ってなくて、まだないんです」

「何時ごろになりますか?」

「3時過ぎくらいには」

「では、その頃にまた」

「すみません」

15:30、再び「肉のますや」へ。店頭にトラックが停まっていました。お、戻って来てるんだね。

店内にはお父さんと息子さんと思しき方もいらっしゃいました。

「レバーはもう入りましたか?」

「あ、はい。何グラムでしょう」

「ひと塊は何グラムくらいですか?」

「――これで540gです」

「じゃ、それお願いします」

「540円です」

シンプルw

肉を切り分けてるお父さんに聞いてみます。

「どうやって食べるのがおすすめですか?」

「ニラとかモヤシと一緒に炒めるか、カツオダシと煮て、1日2切れほど食べれば、サプリメントを摂るようなものですね。朝、潰したものだから、鮮度はいいですよ」

「じゃ、いろいろ試してみますね。ありがとうございます」

「ありがとうございました」

というわけで、買って来たレバーがこちら。

ブリッブリ。ビッチビチ。プルンプルン。見た目がもうエグい。鮮度が保たれている内にどんどんいっちゃいましょう。

レア度:★★★★★のレバテキ


うはははは。

まずはレバテキ。フライパンで表面を炙ってます。中はほんのり火が通ったレア。つけるのは甘い醤油タレとごま油(塩入り)。大げさに言えばコリコリとした食感です。もちろん臭みなど一切ありません。食感はしっかりしてるのに、食べていくとトロッと溶ける。レバーのうまみが口内に溢れ返り、次のひと切れへと無意識に箸が伸びていきます。止まりません。

あああ。えげつないほどうまいな。やば過ぎる。

なお、これは私が自宅で自己責任において好きなように調理しているだけです。これをお勧めしているわけではありませんのでご了承を。

レア度:★★★☆☆のレバー串

次は串に刺してみます。焼くのはフライパンです。

シンプルに塩だけ。ニンニクをつけました。先のレバテキとさして変わらないと思うかもしれませんが、まったく違うんです。レバテキよりも火が通っているのですが、それでもなおブリンブリン。もちろん超うまい。

それにね、自分で切り分け、自分で串に刺してみると、いろんなことがわかるんです。そして、外で食べる際により深く、その一本を堪能できるようになります。

レア度:★☆☆☆☆のニラレバ炒め

火の通り加減は八分目といったところでしょうか。フライパンにレバーを入れてから完成するまで1、2分。炒め過ぎはいけません。

片栗粉でコーティングされたレバーに甘辛いタレがよく絡みます。これだけ火が通っているというのに、パサつきが一切ありません。私の料理の腕前というのもあるのですが(ウソウソw)、なんてったって、この鮮度でしょう。鮮度がいいから、火が通ってもしっとりプリプリ。

レバーが苦手って人は、臭みとパサつきが気になるんだと思います。鮮度のいいレバーでちゃんと調理すれば、そのイメージは覆ると思います。

※本来は「ニラレバ」なんだけど、現状では「レバニラ」と言う方が一般的、みたいな話は他所でどうぞw

レア度:☆☆☆☆☆のレバー煮込み

お父さんから教わったことをもとに作ってみました。中までしっかり火が通っていますが、やっぱりパサパサしてない。堅めのレバーパテって感じで滑らか。めっちゃうまい!

油を敷いた鍋でレバーの表面をしっかり焼く。玉ねぎ、ニンニクを入れて軽く炒める。カツオだし、醤油、砂糖で煮込む(煮詰めるように15分ほど煮れば十分)。お好みで唐辛子やラー油、ごま油を加える。というレシピです。

汁は甘めで濃い目がおいしいと思います。そして、煮込んだら一度、ガッツリ冷やして下さい。そうすると味がグッと浸みます。これを温め直して食べてもいいのですが、冷えたままでもおいしいです。

というわけで、「肉のますや」。

おそらく、「みやこや商店」とともに、界隈でもっとも鮮度のいいモツが、もっとも手頃な価格で買えるお店だと思います。確かにレバーは衝撃的なうまさでした。他も絶対うまいはず。

オープン時間の14:00だとまだ肉(モツ)が到着してないかもしれないので、16:00くらいに行くのがおすすめです。レバー好きな人はもちろん、レバーが苦手という人もぜひぜひ一度。まっじでうまいから。まっじで安いからw

追記:豚タンでタン刺しを作ってみた

後日、豚タンを買いに行きました。

ちょうど市場から戻って来たタイミングだったからでしょうか、こんなものがあったので撮らせてもらいました。

「ここが旦那が買って行くタン。食道があって、取り除かれてるけど、ここがフワ(肺)。下についてるのがハラミ」

「こういうのって、なかなか目にする機会がないから、面白いですねぇ。ああ、そう言えば、前、レバーを頂いたんですが、めっちゃおいしかったです」

「ありがとうございます(笑)」

そんなやり取りをしつつ今回買って来たのがこちら。

豚タン2本。110円/100gで、一本がだいたい300~350gくらい。2本で600円強でした。ハナマサの冷凍モノより安いんじゃない?

じゃーん。こうなりました。具体的にどう調理したかというのは、別の記事で改めてまとめてみたいと思います。

いやー。ほんとうまい。豚のうまみがしっかりあるし、変な臭みは一切ありません。醤油、ポン酢、塩&ごま油で食べましたが、塩&ごま油が一番好きかも。

安いしうまい。「肉のますや」最高じゃん。

肉のますや
東京都品川区小山4-11-3
03-3792-8878
14:00~18:3018:00
定休日:水土日祝

あれ? レバー買いに行ったの水曜日だったんだけどな。そして、タンを買いに行ったのも水曜日だw

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