MEAT JOURNEY 2018

「養老乃瀧 学芸大学店」は刺身を始めとするオリジナルメニューが豊富。コスパ、クオリティ、接客、すべてが見事で、フランチャイズ居酒屋の理想形です。いや、一軒の居酒屋として素晴らしいです。

「えー? 養老乃瀧?w」

そういうあなたにこそ、ぜひ読んで頂きたい。ぜひ行って頂きたい。


学芸大学駅から徒歩2分。東口商店街沿いのビルの2階にある「養老乃瀧 学芸大学店」。創業29年という老舗です。ことあるごとに話は聞いていました。

「養老乃瀧いいよ」

と。

学芸大学に生まれ育って60年という大先輩方がそう言うのですから、おそらくいいのだろう、とは思っていました。今回、遅ればせながら、行ってみました。

カウンター席、テーブル席、座敷。広いのですが、うまいこと間仕切りされていて、妙に心地のいい空間になっています。

壁には手書きのメニューがいっぱい。おびただしいオリジナルメニューの数々に目移りするのですが、それ以上に、同店の溢れ返る想いが見て取れて、感動すら覚えます。


まずは450円というありえない価格の黒ラベル大瓶。養老乃瀧オリジナル、養老ビールです。お通し(210円)はカニカマのマヨネーズ和え。

一品目。自家製燻製3点盛り(417円)。おいしいです。おいしいのですが。

……。すごい。何がすごいって見せ方が。本当に時間によって異なるのかもしれませんが、もしかしたら「只今のお時間は」ではなく「本日は」かもしれない。けど、こう書いてアピールするのがすごい。

前出の壁にかけられたホワイトボードをいま一度ご覧下さい。「8月11日の今宵のおもてなし」ですよ。「本日のおすすめ」じゃないんです。「今宵のおもてなし」。この書き方!

なんとなくで済ませがちな部分。でも、ちゃんとお客さんのことを考えて、どう書こうかと吟味し、自分の言葉で表現しようとしています。だからすごい。

2品目は鶏ももからあげ(490円)。プレーンと青のりの2種。グランドメニューではありますが、このひと手間が嬉しいじゃないですか。ガッツリ浸かった鶏の唐揚げは酒のアテにピッタリ。ちょいとエビせんべいを添えるあたりもニクい。

と、このあたりで「ん?」と感じます。これに関してはまた後ほど。

いわし(450円)とカンパチ(550円)の刺し身。このボリューム! うまい! そして、このつま! ここまで手をかけてくれる。素晴らしいなぁ。

隣の男性客3人組は常連さんのようです。店長を「○○さん」と名前で呼んでいました。この感じも素敵なのですが、注文しているピーマンがめっちゃおいしそう。私たちも生ピーマン(300円)を頼んでみました。

超立派。自家農園・学大YORO農園作と書かれていました。こいつがくっそうまい。ピーマンが甘いんです。時期もあるのかもしれませんが、これは絶対頼んで下さい。本当においしいです。なのに写真がボケてる俺バカ!w

石鍋肉豆腐(600円)。肉豆腐です。繰り返します。ちゃんと肉、豆腐です。こういうのは得てして、ちょびっと肉の切れ端が入っている程度。だけど、これは列記とした肉・豆腐。豚バラがたっぷり入っています。卵も入っています。ガッツリした味付けもいい。

普段、私は居酒屋で〆のメニューを頼みません。けど、確か「学大酒場 エビス参」のまみぞーさんだったかな? 「養老乃瀧」のナポリタンがおいしいと言ってたんです。その場では「うーん、それは一回目には頼まないかもなぁ」と答えていたのですが、これまでのメニューがあまりにも素晴らしかったので、頼まざるを得ませんでした。

濃厚でガッツリなナポリタン(290円)。ケチャップにソースを混ぜてる? 具は少ないものの、極太麺でコッテリしていて、〆のメニューとしてバッチリです。この粉チーズもなんかちょっと普通と違う。少し茶色味がかってます。まさか、粉チーズも燻製にしてる? いや、まさかね。なんだろう。

で、先ほどの「ん?」ですが、何に引っかかっていたかというと、皿・器です。お通しから最後まで、皿がどれも違っていてオシャレ。ここまで気を遣ってるのかぁ。





1938年、木下藤吉郎(矢満田富勝)氏が長野県松本市で創業し、1956年、神奈川県横浜市に1号店が開店した「養老乃瀧」。1966年にはフランチャイズ1号店(板橋区成増)が誕生しました。

「養老乃瀧」はチェーン居酒屋の最古参で、飲食店フランチャイズシステムを確立した企業でもあります。そんな経緯もあってか、「養老乃瀧」は直営店よりもフランチャイズ店のほうが多いです(561店中477店がFC店/2015年3月末時点)。オリジナルメニューの多さからすると、「養老乃瀧 学芸大学店」もおそらく直営店ではなくフランチャイズでしょう。

店全体に対する店主の目の配り方も素晴らしかった。常連客とのやり取りも素晴らしい。あと見逃せないのが、SNSの使い方。twitterFacebookインスタグラム。細かいことですが、IFTTT(イフト)を利用してます。だからtwitterとインスタの連動が完璧。お見事! 写真もうまい! 飲食店の見本だなこりゃ。

「養老乃瀧 学芸大学店」へ行くとフランチャイズも侮れないなと思わされます。それどころか、あらゆる意味において「養老乃瀧 学芸大学店」はフランチャイズの理想形だとも思うのです。本部に任せっきりでおんぶに抱っこではなく、オリジナルメニューを用意し、しかもちゃんとこだわる。看板にあぐらをかくことをせず、お客さん一人一人に心のこもった接客をする。頻繁に来てもらえるよう、価格はリーズナブルに設定。かといってチープにはしない。フランチャイズはこうあるべし、という姿を見せてくれています。

いや、チェーンだのフランチャイズだの、そんな経営形態のことはどうでもいいか。だって、食べたのはほとんどオリジナルメニュー。その場にいた約2時間、チェーン店であることを意識することはありませんでした。つまり、「養老乃瀧 学芸大学店」は一軒の居酒屋として素晴らしかったということです。

ぜひ一度、「養老乃瀧 学芸大学店」へ行ってみて下さい。本当にいいお店ですよ。せっかくですから、行った際はオリジナルメニューを中心にね♪

養老乃瀧 学芸大学店
東京都目黒区鷹番2-19-23 サンビームプラザ2F
03-3792-0891
月~土/16:30~24:00
日・祝/17:00~23:30
食べログ

フランチャイズ・チェーンに関する付記

養老乃瀧の売上・店舗数の推移

外食産業の市場規模は下げ止まり、微増と言われているのですが、居酒屋チェーンは減収減益傾向にあり、養老乃瀧も例外ではありません。以下、複数ソースから引いてきています。データの正確性は保証しません。

ピークは不明ですが、1994年の養老乃瀧グループの売上高は841億円。居酒屋チェーン中、1位でした(村さ来、つぼ八が続く)。しかし、2003年には625億円となり、モンテローザ、大庄に次ぐ3位へ転落。2012年は308億円、2015年は232億円となっています。

店舗数は2012年に約700店舗でしたが、現在は公式サイト上の店舗一覧には367店舗が掲載されています。

なお、2016年のある調査によると、店舗数ランキングの1位は魚民、2位 大吉、3位 鳥貴族、4位 庄や、5位 養老乃瀧、6位 和民となっています。

養老乃瀧が凋落しているように見えますが、かつて居酒屋の”御三家”と呼ばれた村さ来、つぼ八、養老乃瀧の内、養老乃瀧だけがこのようにランキングされています。よく踏みとどまっているとも言えるかもしれません。

直営店とFC店の比率

「2013年度 FC加盟店数ランキング」(ビジネスチャンス)によると、養老乃瀧のFC店数は534店で、直営店は12店なので、実に97%がFC店です。FC店数では全体の18位、居酒屋では1位。

ちなみに19位は居酒屋チェーンの八剣伝。FC店が375店、直営店が107店ですから、FC店率は77%。45位、はなの舞はFC店171店、直営店284店。モンテローザグループの居酒屋チェーン(白木屋、魚民、笑笑、山内農場など)はFC店ゼロ。いかに養老乃瀧のFC店数が多いか(率が高いか)がよくわかります。

学芸大学と居酒屋チェーン

学芸大学には過去、村さ来(のちに村人)、酔虎伝(八剣伝から)、魚民などもありました。現在営業している大手居酒屋チェーンは庄や、天狗、養老乃瀧、土間土間、三代目 鳥メロ(和民→わたみん家→現店)、豊後高田どり酒場(笑笑→山内農場→現店)です。

この内、フランチャイズはおそらく養老乃瀧 学芸大学店と土間土間 学芸大学店の2軒です。前者のフランチャイジーは不明ですが(店主?)、後者はホテル事業でおなじみの(株)聚楽です。

他に5店舗以上のチェーン展開をしている居酒屋は、学大酒場 エビス参晩杯屋炭屋五兵衛串カツ田中、やきとり家 すみれ、魚潮(姉妹ブランド含む)、魚浜(姉妹ブランド含む)、炭火焼鳥 串善があります。

※魚浜は寿司ですが、まあいいやw 魚潮は寿司”居酒屋”と自称しているのでOK

余談も余談なのですが、天狗を運営するテンアライド株式会社は、旬鮮だいにんぐ 天狗 学芸大学駅前店の上の階に本社があります(2013年8月に日本橋馬喰町から移転)。

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