学芸大学の名店「久慈川」がなぜ長年愛され続けているか、その理由が垣間見えた親子ゲンカ

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学芸大学で”有名な”居酒屋をあえて挙げるとすれば、浅野屋と久慈川でしょうか。どちらも歴史があり、吉田類氏が訪れているし、著名人もよく来る(来ていた)し。

今回うかがったのは「久慈川」です。三度目か四度目かな? 扉を開けると、リカさんが目を丸くしてこちらを見ます。間を開けて行っていますから、こちらのことは覚えてません。そんな男が堂々と知った風に入って来るもんですから、「誰だったかな」と訝しがるのも道理でしょう。

店内はこんな感じ。

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カウンターの上に大皿料理が並んでいます。お客さんが持ってきたおもちゃや何やらでごった返しています。

この日は先客のご常連がお一人。とりあえずウーロンハイとコロッケを頼みました。

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コロッケは作り置きしたものを温めます。不思議な味わいです。ジャガイモだけなのかな? 山芋が入っているかのようなモチっと感があります。

と、その時、お父さんがお帰りになりました。

「こんばんは」

と挨拶。すると、リカさんが「ウチのお父さんです」。そ、そりゃw

「もちろん存じ上げてますw」

ご常連と私の間に座ったお父さん。「いらっしゃい」と挨拶をしてくれました。

二品目はナス味噌。

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大ぶりにカットされたナス。ほどよい感じで味噌につかり、とてもうまい。噛むとキュッキュと音がします。

「いや、だから、言ったでしょ!」

と、突然、リカさん。なんだなんだ!?

あることで、娘と父親のケンカが勃発。その内容に関しては伏せますが、どちらが悪いとかじゃなく、どうも話がかみ合ってません。さらに、ほろ酔いのご常連が横から口を挟むもんだから、まあ、ひっちゃかめっちゃかw

何十年も親子をやっていて、何十年も店をやっていたら、こんなことはよくある話でしょう。ほほえましく親子喧嘩を見守ります。そして、ひと段落ついたところで「お会計を」。

席を立つと、お父さんが「すみませんね、変なもの見せちゃって」。

「いえいえ、とんでもないですw」

飄々としたお父さん。優しくて明るくてきれいだけど、気の強い娘さん。二人のケンカは他人からはコントのように見えましたw すみません(^^;

――店の紹介になってない? そのとーり!w 行ってみなきゃわからない、通ってみないと見えてこない。これが老舗名店でもあります。そんな単純じゃないからこそ、何度行っても、何年通い続けても飽きないのです。時にはケンカしてたっていいじゃないですか。人と人が交わり、悲喜こもごもあるような、人間味溢れる店。そういう店が私は好きです。

久慈川
東京都目黒区鷹番3-3-10-101
03-3793-9661
食べログ

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後藤ひろし(ひろぽん)

雑誌・書籍編集兼ライター、ウェブディレクター。主に学芸大学駅(学大)界隈で飲んでます。学芸大学で巡った飲食店の数は約350軒。

https://twitter.com/gokky_510

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