明薬通り裏にある「中華食堂 一番」(下馬)のチャーハン&餃子(スープ付)はわけのわからない味だった~喧嘩中華の優しい気遣いと容赦ない調味料

※2017年6月15日追記:長らくシャッターが下りっぱなしです。店頭の自動販売機もなくなりました。閉店した可能性が高いです。追記以上

いばらの道とわかっていても、あえて突き進む。これが私の食の道。

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はい、完全に”いばら”ですw

ここは三軒茶屋から徒歩10分ほど、明薬通りから一本入ったところにある「中華食堂 一番」です。突き進みましょう。

店に入ると意外なほどにお客さんがいます。店を切り盛りしているのはお母さんとお父さん。カウンターの端に座りました。お父さんの手元までよく見えます。アリーナ席だ。ラッキー♪

次から次へと注文をさばいていくお父さん。お母さんとはケンカしながらも連携を取っています。喧嘩中華だw

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ラーメンは一杯ずつスープを作ります。小鍋にくず野菜と鶏ガラスープの素を入れて煮立て、どんぶりにそのスープと返しを入れ、スーパーで売っているようなラーメンを盛ります。最後にさらに中華だしの素を投入。

マーボー茄子は材料を中華鍋で炒めつつ、レトルトのマーボー茄子の素で味付け。他にもいろいろ入れていました。

チャーハンの作り方もすごい。カニカマを手で裂き、とうもろこしの粒を手で引きちぎり、中華鍋に入れます。ご飯はジャーから入れたり、鍋から入れたり、時にパックのご飯を入れたりします。なんじゃこりゃ!?w 味付けはだしの素と味塩こしょう。

そんな感じですから、餃子は業務用の冷凍餃子か!?と思いきや、注文が入るたびに、作っておいた餡を皮で包んでいきます。ここはちゃんとしてるんだw

私の頼んだチャーハン・餃子のセットが来ました。

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このスープ! 先述のラーメンのスープに、ちょっと何かを足していました。何色なんだかよくわかりません。飲んでも何味かわかりません。入っているものはすべてわかっているのにw

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餃子は野菜のシャクシャク感が印象的。味はそれなり。酢・醤油を入れる小皿がまあ汚いw

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チャーハンは味付けがどうこうというよりも、中華鍋とオタマをよく洗わずに使い回していますから、いろいろな調味料・食材の味が入り混じっています。最大限によく言えば、奥深い味わい。少しばかり気を使ってよく言えば、わけのわからない味w

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お皿は汚れているし、作り方は雑だし、でたらめなんですが、でも、繊細な部分も見せてくれました。

席につき、お母さんの様子を見つつ、注文のタイミングを見計らっていたら、私よりあとから入ったサラリーマン二人がぞんざいに注文を入れました。こうなりゃ仕方ない。ついでに、私も注文します。

よくある光景です。そして、こういう場合は、注文の順番ではなく店に入った順に料理を出すというのが、よくあるパターン。ただ、こういう店ですから、私の方があとになっても、ま、いっか、と思ってたんです。ところが、お母さんはお父さんに「カウンターさんが先に入ったから」と耳打ちして、実際、私の方が先に来ました。料理は雑ですが、接客は繊細です。

会計時にもうひとつ面白いことが起こりました。

基本的にフライパンひとつですべてを作っていきますから、混みあうと料理が出てくるまで時間がかかります。私は30分~40分ほど待ちました。そんなもんだと思っていますから、イライラしませんし、嫌な気にはなりません。むしろ、「遅くなってごめんね~」をずっと繰り返しているお父さんがかわいそうに思うほど。

会計時、お母さんはこんなことを言いました。

「待たせちゃったから800円ね」

50円おまけしてくれました。

だけど、私は知っている! 待たせて申し訳ないという気持ちに偽りはないでしょう。とても優しいご夫婦ですから。でも、本当は50円玉を切らしていたんですw 150円のお釣りを出せないから、200円にしたかった、というのが本音のはず。さっき「細かいのが……」とお二人でささやきあってたのを私は聞き逃しませんでしたからっ!w

「お釣りがないから」と言ってしまっては客の側が申し訳なく思ってしまいます。あくまでもこちらに非があり、だからお詫びにおまけします、というその姿勢。すてき。優しすぎ。

店を出ます。口の中はわけのわからない状態です。いったい何を食べたあとの口なんだ!? でも、「中華食堂 一番」のご夫婦の優しさは、強烈なうまみ調味料を凌駕し、心をさっぱりさせてくれました。

勇気と根性と好奇心と強い胃腸をお持ちの方はトライしてみてはいかがでしょうかw

余談。

野沢通りの世田谷観音交差点近くに「一番」という中華料理屋がありました(東京都世田谷区下馬3-38-14)。約2年前から私は開いているところを見たことがありませんでした。その「一番」の古い建物は取り壊され、現在は住宅になっています。そして、今回ご紹介した「中華食堂 一番」とは別のお店です。「中華食堂 一番」は食べログには載っていません。おそらく。

中華食堂 一番
東京都世田谷区下馬2-17-7
※野沢通りの世田谷観音交差点から明薬通りを246(三軒茶屋)方面へ。ひとつ目の信号を右折してすぐ

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後藤ひろし(ひろぽん)

雑誌・書籍編集兼ライター、ウェブディレクター。主に学芸大学駅(学大)界隈で飲んでます。学芸大学で巡った飲食店の数は約350軒。

https://twitter.com/gokky_510

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