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焼酎呑ミ処 2nd./セカンド(学芸大学)は飲みの二軒目にちょうどいい、"二軒目の家"のような焼酎バー

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焼酎なんざ、グラスにつぐだけ。どこで飲んでも味自体は変わりません。でも、じゃあなぜわざわざ店に飲みに行くのか。あるいは、なぜ、あの店ではなくこの店に通うのか。答えは簡単です。どこで飲んでも同じじゃないからです。焼酎呑ミ処 2nd.に行ってみれば、それがよくわかります。

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学芸大学駅の十字街にある小さな焼酎バー・焼酎呑ミ処 2nd.(セカンド)。

最初にひと言。店主・池田俊介君は体を悪くしていて、手足が不自由です。お酒の受け渡しとか、退店する際にはおしぼりでサッとカウンターを拭くとか、少し気を遣ってもらえると嬉しいです。僕からの勝手なお願い。

さて。

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いつも人でごったがえしていて、店外にも人があふれかえっています。2、3度うかがったことがあるだけのほぼ一見が、そんなところにあえて突っ込んで行こうと思ったわけですが、その日はひっそり。時間が早かったからかな。ちょっと梯子を外された気分w

「初めてですか?」

と店主。

「いえ、2、3度。でも、随分と間が空いちゃってますから、一見のようなもんです」

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店内には焼酎の瓶がズラリ。とりあえず、もぐらを頂きます。一番好きな芋焼酎はさつま無双。そのさつま無双(株)が造っている無濾過の芋焼酎です。

もぐらを初めて飲んだのは10年以上前。当時のラベルは土竜と漢字で書かれていたような。いい意味で粗っぽく、芋がガツンときました。最近のはちょっとおしとやかになっている気もしなくはないのですが、濃厚な芋の風味は健在です。

次は熟成古酒 明るい農村。明るい農村の熟成古酒は初めて飲みました。スタンダードな明るい農村の尖った感じがまろやかになっている印象。でも、芋感はガッツリ。こういう黒麹なら好きです。

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別日に飲んだ金もぐら、蔵の師魂 The Green。後者はソーヴィニヨン・ブランから採取された酵母を使っているそう。フルーティー。ぶどうのようなメロンのような風味。うまい。

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木場 無濾過、木樽初蒸留 蔵の師魂。どちらもガッツリ。おいしいねぇ。

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蔵の師魂 いもいも、さつま寿(尾込商店)、刀(佐多宗二商店)。冷やされた44度の刀をショットでちびり。芋がブワッ。

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木場(木場酒造)はフルーティーで甘味があります。ふくよか。好きな味。

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獺祭の酒粕から作られた焼酎。米焼酎というよりも粕取り焼酎。グラッパあるいはアラックのようなニュアンス。フルーティーで独特な風味。うまいしヘヴィ。

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市来焼酎 ぷう 29BY(田崎酒造)。名前はかわいいですが、風味はしっかり。黄金千貫、黄麹、吟醸酵母。

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屋久の石楠花/しゃくなげ(三岳酒造)。ひと口目で黒麹かと思ったのですが、白麹でした。甕仕込ということを知り、そのテイストが出ているのかと。独特で個性的。

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「今日、6周年なんですよ、うち」

え? うっそーん。なに、この普通感www まあ、時間が早いからでしょうね。

「あさっては常連さんたちとバーベキューなんです。今回は20人くらい。旅館で雑魚寝です。もう8年目ですよ」

20人w すげ。ていうか、ちょい待った。寸法が合わなくね? 6周年でBBQは8年目って……。

「ここの前は五本木の方で店をやっていたんです」

現・あさとやの場所でやっていたそう。なーるほど。2nd.ってのは客にとっての二軒目という意味だと思うのですが、この店にとっても"二軒目"なのかw いずれにせよ、20名でBBQとはすごい。この店ではそれほど密な人間関係が築かれているんですね。おっと、密といえば。

「今さらながらの話なんですけど」

「ええ」

「『笑ってこらえて』見ましたよ」

所ジョージの番組『笑ってこらえて』の「朝までハシゴの旅」という企画で、モデルの佐藤栞がここ2nd.にやって来ていました。2nd.で知り合い(?)、付き合うようになったカップルがいて、ロケの時にプロポーズをしたというシーンがありました。

「あの時にプロポーズしたカップル、どうなりました?」

「一緒に暮らし始めましたよ」

へぇ、そりゃめでたいw

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店と客が、客と客が関わり合い、混じり合い、濃密な空間が形成されています。客にとって2nd.は特別な場所。だからこそ2nd.に通い、ここで焼酎を飲みます。

ああ、なるほど。"二軒目の家"なんだな。常連さんにとって焼酎呑ミ処 2nd.は。

一番好きな芋焼酎・さつま無双

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※2019年4月12日追記

一番好きな芋焼酎はさつま無双です。赤ラベルというかスタンダードというか。そのことを知ったマスターの池田君がわざわざ入れてくれました。

「本当にこれですか?」

「黒とか紫とかあるけど、これです」

「スタンダードなこの価格帯の芋焼酎にしてはおいしいですね」

ははは。この奥歯に物が挟まった言い方。わかるw

ひと口。

なるほど。確かにさつま無双ではある。けど、久しぶりに飲んださつま無双は記憶している味よりかなりさっぱり。これには2つの可能性があります。

ひとつはさつま無双が変わったということ。よく飲んでいたのは10年、15年前。その頃と味が違っていても不思議なことじゃない。よくある話。

もうひとつ。私(たち)の味覚、嗜好が変わったということ。今はとにかくがっつり濃厚なタイプが好まれ、そういう焼酎が増えていて、私(たち)はこれに慣れてしまった。昔ながらの銘柄は当時は濃いと思っていても、今となってはさっぱりに感じる。これもよくある話。

いずれにせよ、物足りなさを感じたのは確か。池田君が「本当にこれ?」と疑問に思ったのもむべなるかな。けど、それでも私はさつま無双が一番好きな芋焼酎だと言おう。さつま無双よりおいしい芋焼酎はいっぱいある。でも、さつま無双以上に思い入れのある芋焼酎はまだない。さつま無双以上に語れる焼酎が現れるまで、私の中ではさつま無双が一番好きな芋焼酎です。ね、ペコちゃん

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2ndへ行ったら、一杯目はさつま無双を飲むようにしています。池田君、わざわざ入れてくれてありがとう。

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