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お食事 都賀(学芸大学・祐天寺)のハンバーグピカタとコロッケ定食に感じた強い塩気を私は喜んで受け入れる

※2018年1月5日追記:2017年12月28日、閉店しました。45年という歴史だったそう。長い間お疲れさまでした。追記以上

ちょっと最近太り気味。だからランチはやめようと思ってるのに……。

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こんな顔したヤツが待ってるんです。行かざるを得ません。

学芸大学駅、祐天寺駅から徒歩10分強。中央中通り商店街沿いにある定食屋・お食事 都賀(つが)。お昼と夜に営業しています。

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昼の13時ごろ。入ると常連さんがお二人、すでにお酒を飲み始めています。厨房にはコック姿のお父さん、ホールはエプロン姿のお母さん。

"本日のメニュー"となっていますが、きっと何年も変わっていないでしょう。聞き慣れないピカタを頼んでみました。

「ハンバーグピカタとヒラメのフライをお願いします」

「ヒラメじゃなくてコロッケなんだけどいい?」

「ええ、もちろん。お願いします」

「ごめんねー」

お父さんは足を悪くしてらっしゃるようです。ちょっと動きづらそうにしています。お母さんは常連さんたちとお話し中。

「1兆円だよ、1兆円。ITだからさあ」

「ITって紙で印刷したりする?」

「違うよ、ITは……ソフトとかさ」

なんともほほえましいやり取りw それほど時間はかからず、定食がやってきました。

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ピカタは、もともとはイタリア料理のひとつで、仔牛の肉をソテーしてソースをかけた料理だそうです。日本では牛に限らず、豚や鶏、魚などに小麦をつけ、溶き卵を絡めながらソテーしたものをピカタと呼ぶのだそう。

ハンバーグはできあいかな。前もって卵と炒めておいて、注文が入ったらフライパンで温めカットする、という感じでしょう。デミグラスソースのようなものは鍋からすくっていましたが、これも自家製かどうかは不明。甘くてボリューミー。

コロッケはクリームコロッケでした。トロッとしたクリーム、カリっとした衣。クリームは自家製です。塩気が超絶強い。多めのご飯と一緒に頂きます。

つけあわせのスパゲッティは昔ながらの味わい。モヤシは茹でて酢とカレー粉を和えたもの。キャベツがちょっと変わってます。ザクっとした食感。繊維に対して直角に千切りしているようですが、こういう食感は珍しい。

カブのお新香も強烈な塩気です。そのままじゃ食べられないほど。ご飯に乗せて食べました。味噌汁もちょっと濃いめかな。

全体的に塩が強いです。日によって違うのかもしれませんが、もしかしたら最近はずっとこうなのかもしれません。お父さんはお年を召してらっしゃいますし、体の調子もあまりよくなさそう。舌もそろそろ……。

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そこらの普通の店でこれを出されたら、そりゃ怒ります。けど、私は都賀の定食には文句を言いたくない。

あとでやってきたお客さんに出したオムライスは卵で包めていません。ケッチャップライスにポンと卵焼きを乗せています。少し前まではちゃんと包んでいたようです。フライパンを振るのが大変なんでしょうね。

何十年とお店をやってきて、体の調子が悪くなっても、まだお店を続けているお父さん。なぜそこまでするかというと、こうして来てくれるお客さんがいるから。地元のご隠居さんたちが昼間から身を寄せられる場所を、体を張って守っているんです。その姿には感動こそすれ、決してケチはつけられません。ご立派です。

強い塩には、最後の力を振り絞っているお父さんのがんばりが表れています。私は喜んで、この塩気を受け入れるのです。

「ごちそうさまでした」

「ごめんなさいね。ありがとう」

優しいお父さんの声。なにも謝ることなんてないのに。

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中央中通り商店街を駒沢通り方面へと向かいました。シャッターの下りた店舗もチラホラ。

いや、大丈夫。まだまだ。

こんなことを言うタチではないのですが、最近、言葉が現実になるということを経験しまして。

お父さん、また来ますね。そうだな、年明けごろに。

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