70年続く中華料理屋「三友軒」(駒沢大学)のパンチのきいたチャーハンと餃子とお母さん~三代目じゃ潰れない!

世田谷通りの世田谷駅前交差点から南下する「駒沢公園通り」。途中、駒留通り、弦巻通り、国道246号線、駒沢通り、上野毛通りと交差し、目黒通りとぶつかる交差点が終点です。

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駒沢公園通り沿いの、246と交わる駒沢交差点からすぐのところにファミリーマートがあって、そのすぐ横の路地を入ると、昔ながらの街場の中華屋さんがあります。「中華飯店 三友軒(さんゆうけん)」です。気になっていたので、土曜日の昼に行ってみました。

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店内は意外なほど広いです。4人掛けのテーブル席が5つかな? その時はお母さんと息子さんと女性の3人がいました。この女性はアルバイトなのか娘さんなのかお嫁さんなのか。

私はチャーハンと餃子、相方はタンメンを頼みました。

ガンガンガン! 中華鍋が大きな音をたてます。時折、息子さんとお母さんがやり合います。喧嘩中華です。いいなぁ、こういうのw タンメン、チャーハン、餃子の順にやって来ました。

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しっかりと焼きが入り、ガッツリ味のついたチャーハンはパンチがきていてとてもおいしいです。タンメンはコショウがきいていますが、さっぱり。こちらもおいしい。

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面白いのが餃子です。単に焼いただけとは思えない。茹でてから焼いているんじゃないかと感じるほど。皮の上の方はトゥルンとしていてモチモチ。底はパリッ。皮自体にも塩味(えんみ)を感じます。タネはジューシーでシャクっとしています。これもいい。

チャーハン600円、餃子300円、タンメン600円。安い。さらに……。

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昭和ですか?w

私たちが食べ終える頃、他にお客さんはちょうどいませんでした。私たちのテーブルのすぐ隣にレジがあり、その前の椅子にお母さんが腰かけます。テレビに突っ込み始めるお母さん。

「何食べても『おいしい』ばっか。朝からずっとね。おいしい、おいしいって」

爆笑w

「確かに土曜日のテレビはそんなのばかりですねw」

「まずいって言ったらダメなんでしょ?」

「そうですねぇw」

威勢のいいお母さんです。

「こちらはどれくらいになるんですか?」

「私が50年。親は20年くらいからやってる」

昭和20年てことは、今年で70年!

「すごいですね! (息子さんに)てことは、三代目でらっしゃるんですか?」

「そうですね」(息子さん)

「三代目が潰すのよ」

ちょwww お母さん、ハッキリ言いすぎw

「いやいやw」

「ほんとよ。どこもそう。田舎だってそうでしょう。一代目が山に入って」

え? 山? お母さん、何を言いだすの?w 飛ばすなぁw

「一代目が山に入って開拓して、二代目が跡継ぐでしょ。で、教育ね。三代目に教育すると、学校卒業して外に出ちゃうのよ」

ま、まあ、言わんとしていることはわかりますが、ここ、駒沢大学ですよ?w

「この辺もそう。どこも三代目なんていないよ。二代目で終わり」

息子さんは無反応。もう聞き飽きたといった感じです。

「この界隈も古いお店が少なくなってきてるんですね」

「古いったら、あそこのお花屋さんと、その先にお菓子屋さんがあるでしょう。あと、あそこの和菓子屋さん。三軒茶屋の通りにお皿屋さんがあるでしょ。あそこは江戸時代からね」

「へー」

「マルエツができて、三軒茶屋には行かなくなったね」

「なるほどー」

その後もまあよくおしゃべりになる。キップがいいというか、口が達者というか。こちらは「へー」「そうなんですかー」としか言う隙がないほど。超楽しいw

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「めっちゃおいしかったです」

「ありがとうございます」

「ごちそうさまでした~」

お腹一杯。店を出て、相方に言います。

「おいしかっただろ?」

「うん」

「めっちゃ楽しかっただろ?」

「うん」

「だからランチがやめられないんだよ」

「……」

「特にこういう街場の中華屋さん。楽しいんだよなぁ。そう思わない?」

「いや、まあ、そうだけど」

太り気味だと最近チクチク言う相方をけん制してやりました。フン、どうだ。って私が偉いわけでもなんでもないんですがw

いやー、それにしてもよかったなぁ。料理はおいしいし、お母さんは面白いし。最高。三代目、ぜひ長く続けて下さいね!

っと、ここで気付きました。三軒茶屋の三茶3番街にも「三友軒」という中華屋があって2015年8月31日に閉店したそうです。そして、日本全国に「三友軒」という中華屋がありました。駒沢大学、大岡山(西小山)は同じ登録商標を使っているので、一部は何らかの関係があるのかもしれません。

「三友」は中国語に由来します。いろいろな意味があるのですが、「岁寒三友」という言葉がもっともよく知られているそうです(私は知らなかった!w)。

「岁」は「嵗(歳)」。厳しい時でも支えてくれる三人の友という意味で、寒い冬でも強い生命力を持ち続ける松と竹と梅がこれを象徴します。そう、「松竹梅」です。これは中国から伝わった言葉が元になっているんです。

「三友軒」が歩んできた70年。厳しい時もあったはずです。いや、もしかしたら今がまさにその時かもしれません。こんな時代ですしね。けど、威勢のいいお母さんや険しい表情で中華鍋をガツガツ振り続ける息子さんの姿は、厳寒に伸び、花を咲かせる松・竹・梅のようでもあります。その力強さ、たくましさは、まだまだ「三友軒」を続かせることでしょう。

中華飯店 三友軒
東京都世田谷区駒沢2-18-5
03-3421-7431
食べログ

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後藤ひろし(ひろぽん)

雑誌・書籍編集兼ライター、ウェブディレクター。主に学芸大学駅(学大)界隈で飲んでます。学芸大学で巡った飲食店の数は約350軒。

https://twitter.com/gokky_510

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