「市太郎」(西小山)のメニューがとてつもなく奥深く面白かった~マスターとお姉さんがかわいすぎる素敵な居酒屋

西小山をプラプラしていて気になっていた居酒屋「市太郎」に行ってみました。

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西小山駅のロータリーから南西へと伸びる路地。「やきとん道場 三鶴」「とんかつ 豚豚(とんとん)」がある方面に居酒屋「市太郎」があります。

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カウンターだけのこじんまりとした居酒屋かと思っていたのですが、何気に広いです。奥は小部屋みたいになっていて、テーブル席(4人×2)もありました。写真をよく見ると一部が写っていますが、小部屋へはスロープがあります。なーんか、かわいい。

やってらっしゃるのは、70代のマスターと実の姉さん。カウンターにはネタケースがあって、中には魚がいっぱい。ケースの上にはおばんざい的な物もあります。

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レモンサワーを頼みました。「樽ハイ倶楽部」か。珍しい。なんて思っていたら、マスターがトレイを持ってきました。

「お通しどれにしますか?」

うひゃ。トレイにはお通しが3種乗っています。おしゃれなイタリアンでドルチェを選ばせてくれるみたいなw サラダ3点盛り、サバ味噌、サンマ焼きがありました。迷わずサバ味噌をチョイスします。

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うーん、こりゃうまい。いいお通しだ。じゃ、何を頼もうかな、とメニューを見ると、とんでもないことになっていました。もうね、やばいです。

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メニューの多さに目が奪われるかもしれませんが、そんなことはどうでもよろしい。まず、冒頭の「焼たらぼー」! なんやねんそれw いや、棒鱈かなにかでしょ? たぶん。それはいい。けどね、そいつをしょっぱなに持ってくる?w ソーセージ、フライドポテト、サラミという王道つまみが並ぶ中、それが一番最初?w

「フライドポテト揚げ」という重言。「冷ヤッコ」はカタカナで「冷とまと」はひらがなという妙味。「ポックコーン」という誤記だけどいい語感。どれもかわいい。けど、問題はドリンクです。

「コーラー」。来ました。さらに「お茶ワリー」「ウーロンハイー」と続きます。大好き、この音引き。萌えます。

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しかしです。ことはそう単純じゃありません。

「ウーロンハイー」は伸ばします。だけど、「グレープハイ」は伸ばしません。ここはまだ想像しえます。横の並びを見て下さい。最後がすべて音引き。だから、メニューを書いているときに、勢い余って音引きを入れてしまった。そう考えられなくもない。でも、「お茶ワリー」が一発目。一発目から音引きを入れています。こいつはなかなかですよ。

もちろん、何かの企てがあってのことではありません。たまたまそう書いちゃった、というだけのことでしょう。けど、それが何かいいじゃないですか。店主の人間味、かわいらしさが表れています。私はこのメニューを肴にいくらでも酒が飲めます。

とはいえ、何か頼みたいな。もはやメニューを見ていても決められません。ネタケースを見てみました。

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巨大な肉塊がそそります。

「焼豚お願いします」

切って出すだけでしょ?と侮っていました。それなりに時間がかかります。引き続き店内の様子をうかがっていると、カウンター越しに声が。

「あーさいまっ」

ん? 見ると、こんな皿が差し出されました。

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うわぁ。いいなぁ。チャーシューサラダだ。うまーい。

焼豚を食べながら、先ほど来のマスターの声を思い返します。

「あーさいまっ」

他のお客さんに出すときも「あーさいまっ」。「あー、すみません」なんでしょうけど、「あーさいまっ」って聞こえます。レモンサワーをおかわりしました。やっぱり、レモンサワーを差し出すと同時に、カウンター越しに「あーさいまっ」。なにそれ? なんでそんなにかわいいの?

さて、次は何にしましょうかね。うん、ここはやはり正体不明の「焼たらぼー」でしょう。お姉さんに注文します。

「焼たらぼー? お願いします」

すると、お姉さんは顔をしかめて手を振ります。

「あ、ないんですか?」

「いや、おいしくないからやめといて」

ぶっwww メニューの冒頭に正体不明の「焼たらぼー」を書いておきながら、おいしくないからやめとけってwww どんなトラップよwww 腹いてぇwww

このお姉さん、とにかくよくしゃべります。ダジャレもいっぱい。常連客にはツッコミまくり、イジりまくり。常連の女性方もまあ元気。勝手にグラスを出して、カウンターに入って、生を注いでます。男性客も多いのですが、この店は女だな。女が強い。自由奔放。おもしれーw

おっと。何か頼もうとしていたんだ。無難にエシャレットにしとくか。

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うへぇ。立派なエシャレット。シャクッという歯触りが気持ちいい。うまい。エシャレットでこんなにうまいと感じたことあったかなぁ。

最初は私と奥の部屋に2人だけでした。しかし、気づけば満卓。テーブルもカウンターも客で埋め尽くされています。

うまいまずいじゃないんですよね。「食べログ」には「市太郎」のレビューはゼロ。そりゃそうだ。だって、「市太郎」の”食”をログする意味なんてないんだもん。ここでログすべきは人。人がいいから人が寄る。人に惹かれて人が来る。「市太郎」に限った話じゃありませんが。

途中、お姉さんはヨタヨタ歩きのお母さんをご自宅まで送っていました。そういうことなんですよ。だから私は”人”のログを取る。

「市太郎」を出て、「やるびー」に行きました。「やるびー」に至ってはネット上に情報ゼロw

「やるびー」で「市太郎」に行ってきたという話をしたら、マスターからいろいろ話が聞けました。あのお二人は夫婦ではなく、兄弟(姉、弟)ということ。25年くらい続いているということ。カウンター上の焼きそばは避けた方がいいということw そして、マスターはこう言います。

「特別おいしいってわけじゃないよ。けど、人でいっぱいだったでしょ? あの二人の人柄よねー」

まったくです。同じことを私も考えていました。その通り。そして、あんたのとこもねーw あ、違う。「やるびー」マスターの料理は実は激ウマだ。いや、「市太郎」がおいしくないというわけではなくw

バタバタでお店のかたとはほとんど話せませんでした。ま、しゃーない。今度は早い時間に行ってみよっと。

市太郎(いちたろう)
東京都品川区小山6-11-2
03-3782-0129

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後藤ひろし(ひろぽん)

雑誌・書籍編集兼ライター、ウェブディレクター。主に学芸大学駅(学大)界隈で飲んでます。学芸大学で巡った飲食店の数は約350軒。

https://twitter.com/gokky_510

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