名店の遺伝子を継ぐ「香湯ラーメン ちょろり 目黒店」(学芸大学)のスープは香ばしくて甘く、どんどん進みます。時間とともに変化するチャーシューもいい!

学芸大学駅、祐天寺駅、武蔵小山駅から直線距離ならほぼ同じ。歩くとそれぞれ15分強、20分弱、20分弱という位置。目黒通り沿いにある「香湯ラーメン ちょろり 目黒店」。「ステーキハウス リベラ 目黒店」の並びです。

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店先の看板には写真では判別できないほど小さく「ちょろり」と書かれています。普通に道を歩いていても、張り出した黄色いテント屋根が邪魔をして、店名がほとんど読めません。それこそ本当にちょろりと店名が書かれているのみw

のちほど詳しく触れますが、恵比寿ガーデンプレイスの近くにも店舗があります。10年ほど恵比寿界隈に住んでいたので、恵比寿店には数え切れないほど行っていますが、目黒店は今回が初めて。「ちょろり」自体は約3年ぶり?

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店内はL字カウンターで8~10席ほど。小ざっぱりとしています。やってらっしゃるご主人は「ちょろり」のオーナーさんでもあります。

水はセルフです(冷たくておいしいw)。お酒もありますが、種類によってはカウンター奥にある冷蔵庫から自分で取って来るのがいいかもしれません。特に混み合ってると、ご主人一人では大変なので。

「ちょろり」といえば、まずはやっぱり餃子でしょう。鍋に多めのお湯を入れて最初に蒸し。余分な水を捨てて焼き。しっかり底に焦げ目をつけたら完成です。

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大ぶりで、タネがパッツンパッツンに詰まっています。タネはひき肉が多めで適度な汁感。変に味付けをしていません。ナチュラルな味わいです。パリッ、プリッ、ハフッ。はぁ、めちゃうま。恵比寿店ももちろんおいしいのですが、恵比寿店よりおいしい気がしたのは、久々に出会えた喜びでバイアスがかかっているせいか。

他のお客さんの注文が落ちついた頃合いを見計らい、香湯ラーメンを注文します。

大きな寸胴から注文ごとにスープをすくい、中型の雪平に移して温めます。ラーメンを茹でる際にモヤシも一緒に茹でていきます。ご主人の足元にあった木製の麺箱には「丸山製麺」とありました。品川区旗の台の丸山製麺かな。メンマ、チャーシュー、きぬさやが丁寧にトッピングされたら完成です。

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うーん、いい香り。まずはスープをひと口。これこれ。甘くて香ばしい。「ちょろり」の最大の特徴は揚げネギ。このネギが香ばしさを出し、また、甘みも増加させています。最初は「ん? 濃くね?」と思うかもしれません。けど、どんどん進みます。止まらなくなるスープです。

麺は普通のよくある麺よりも白っぽいです。おそらく、かんすいが少ないせいでしょう。かんすいは少ないのですが、だからといってフニャけてるわけじゃない。コシはあります。いい弾力。プルッ、ツルッとした麺もとてもおいしいです。

チャーシューもいいんです。最初はちょっとパサつき気味なんですが、徐々にスープの水分を含み、ラーメンを半分ほど食べ終える頃にはしっとりとしてきます。麺やスープの味変はよくあっても、チャーシューの味変をここまで感じさせるラーメンてのは珍しいような。

しっかりと鶏からダシを取っているせいでしょう、スープは油分も多めです。別にしつこいわけじゃありません。ただ、油は膜を張りますから、スープはずっとアツアツのまま。鼻水がズルズルw

麺がサッパリしていて、その分、スープは濃い目。このバランスもいい。見た目はシンプルですが、奥行きがありパンチがあります。やっぱり「ちょろり」はおいしいなぁ。

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私の目の前で作業をし始めたご主人にうかがってみました。

「どうして『ちょろり』って言うんですか?」

「どうしてって……(笑)」

「なんか由来とか」

「いや、適当だよ。適当につけただけ。別に意味なんてないよ」

「恵比寿に住んでたんで、恵比寿にはよくうかがってたんです」

「ああ、そう。あれもオレの店だよ。もともとあっちで創業して、今はもう若いもんに任せてるんだけどね」

このご主人、実はイケメンです。背も高い。そして声がいい。俳優にでもいそうな感じw

ご主人はもともと「喜楽(きらく)」(渋谷)、「かおたんラーメン えんとつ屋」(西麻布)にいらっしゃったのだとか。

渋谷の百軒店(ひゃっけんだな)にある「喜楽」は1952年創業。「喜楽」出身の方が1985年、バブル真っただ中に「かおたんラーメン」を創業します。そんな両店で腕をふるっていたいた方=ご主人が1995年、恵比寿に「ちょろり」を創業(現・香湯ラーメン ちょろり 恵比寿店)。1997年、目黒にも店舗を構えます。

3店の共通点は、揚げネギが入っていること、デフォルトのトッピングがチャーシュー、もやし、きぬさやということ。「喜楽」には3回ほど、「かおたんラーメン」には1回しか行っていませんし、いずれも随分前のことなので、記憶が定かではないのですが、「喜楽」「ちょろり」は味が濃い目、それに比べると「かおたんラーメン」はあっさり目だったような。まったく自信がありませんが。

「喜楽」は積極的に”○○ラーメン”と謳ってはいませんが、「かおたんラーメン」は”高湯 中国福建省の高級スープ”、「ちょろり」は”台湾スープ伝統継承の味”と言っています。

店名はさて置き、言葉の一般的な意味合いとしては、高湯/高汤(ピンイン:gāo tāng [カオタン])は中国語でスープという意味です。香湯/香汤(ピンイン:xiāng tāng [シャンタン])は香り高いスープといった感じの意味で使われることが多いようです。

「ちょろり」あるいは焦しネギが台湾式なのかどうかはよくわかりません。まあきっと、台湾にもあるのでしょう。いずれにせよ、とにかくおいしいラーメンです。

ただ、「ちょろり」に行った直後、某バーで話していたら、生まれも育ちも学大の子が「ちょろり」を知りませんでした。少し遠いですからね。もしかしたら、知らない人も多いのかな?

駅からの距離はありますが、ラーメンを食べる前はちょっとした運動として、食後は腹ごなしとして、ちょろりと歩くってくらいがちょうどいい。まだ行ったことのない方、ぜひ。

香湯ラーメン ちょろり 目黒店(シャンタンラーメン ちょろり)
東京都目黒区下目黒6-16-6 西野ビル1F
営業日時:水~土/18:00~02:00
食べログ

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後藤ひろし(ひろぽん)

雑誌・書籍編集兼ライター、ウェブディレクター。主に学芸大学駅(学大)界隈で飲んでます。学芸大学で巡ったお店の数は約350軒。

https://twitter.com/gokky_510

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